2022年10/12
兵庫

兵庫県立
舞子高等学校

兵庫県神戸市

 2022年10月12日、復興庁の徳増伸二参事官が兵庫県立舞子高等学校を訪れ、
「東日本大震災からの復興と風評の影響」と題して授業を行い、環境防災学科の生徒120人が参加しました。

【授業を受けた生徒たちの声を紹介します】

  • 怖いイメージのある放射線について
    正確な情報を伝えていきたい。

    竹林剛さん

  • ALPS処理水は科学的には安心だと
    わかったが、心理的な不安をどう
    解消できるのか勉強したい。

    高橋茉那さん

  • 放射線被害は広範囲で長期間に及ぶ
    ものなのだと感じた。
    現地に足を運び、生の情報も知りたい。

    今井千愛さん

  • 次の大地震に備えるため、事故の教訓
    を生かし今ある原発を災害に耐えられ
    るよう補強してほしい。

    細谷悠彬さん

【東日本大震災からの復興】

 2011年3月11日に発生した東日本大震災を受け、復興の道のりにある福島の現状と、東京電力福島第一原子力発電所で進んでいる廃炉に向けた取り組み、来春に控えているALPS処理水の海洋放出などについて学んだ後、生徒たちは「今自分たちにできること」を考えました。
 徳増さんは、東日本大震災では大きな津波に襲われただけでなく、原子力発電所が水素爆発を起こし周囲に放射性物質が飛散したこと、の二つの災害が起きたことをまず述べました。
 原発事故の災害に見舞われた福島県内の復興状況については、放射線量は県内の大半の地域では大幅に低下し、避難者数がピーク時の16万5千人から3万4千人に減っています。一方で、産業の状況を見ると、避難地域12市町村では製造品出荷額が震災前に比べ8割程度まで戻っているものの、営農再開面積は38%、沿岸漁業の水揚量は18%と、特に農林水産業の影響が長期化していることを課題として挙げました。

【原子力発電所の廃炉に向けた取り組み】

 地震と津波の影響により原子力発電所は電力を喪失し、原子炉に送水できなくなった結果、燃料が発熱し、水素爆発が起きました。現在は廃炉に向け、溶けた燃料などが冷えて固まった燃料デブリを取り出す作業を進めていこうとしていますが、雨水や地下水の流入などにより汚染された水(汚染水)が大量に発生し続けている現状を説明しました。
 こうした水は多核種除去設備(ALPS)により、トリチウム以外の放射性物質を規制基準値以下まで浄化し、「ALPS処理水」として敷地内のタンクに貯められます。敷地にはすでに1千tの容量を持つタンクが1千個以上あり、廃炉作業に必要なスペースを確保するためにはこのまま増やし続けることができない状況です。そこで国はトリチウムを含むALPS処理水を海水で薄めて、海に流す海洋放出を決めています。

【風評影響について】

 福島県は県内で収穫された農林水産物について放射性物質が含まれていないかどうかのモニタリング検査などを行い、結果を公表しています。近年は基準値を超えるものはほとんどなく、国際機関もこうした取り組みが機能していると評価しています。ただ、コメ、牛肉など重点6品目の出荷量は震災前の水準までは回復しておらず、諸外国・地域の輸入規制も減りつつあるものの、今も香港、中国、台湾、韓国、マカオ等の規制は続いています。また、外国人の延べ宿泊者数も伸び率が全国に比べて低調であることなど、風評影響が残っていることに触れました。
 授業の最中は、生徒が熱心にメモを取る様子が見られ、生徒からALPS処理水の海洋放出後の風評被害の懸念について質問があるなど、テーマへの関心の高さがうかがえました。授業の後、生徒たちは20のグループに分かれ、風評被害を払しょくするためにできること、福島の復興に向けてできること、の2つのテーマでグループワークを行い、「自分たちで福島産のものを食べ、感想をSNSであげる」などの意見が出されました。

2022年10月19日付 神戸新聞に掲載

2022年9/21
北海道

立命館慶祥高等学校

北海道江別市

2022年9/22
静岡

県立島田商業高等学校

静岡県島田市

2022年9/28
沖縄

県立首里高等学校

沖縄県那覇市

2022年9/28
愛媛

県立伊予農業高等学校

愛媛県伊予市

2022年10/5
福岡

福岡第一高等学校

福岡県福岡市

2022年10/12
兵庫

県立舞子高等学校

兵庫県神戸市

2022年10/18
宮城

古川黎明高等学校

宮城県大崎市

2022年10/25
広島

山陽女学園高等部

広島県甘日市市

2022年11/26,27
福島

福島視察

福島県浜通り