2022年9/21
北海道

立命館慶祥高等学校

北海道江別市

 2022年9月21日、立命館慶祥高等学校(江別市)で「東日本大震災からの復興と風評の影響」をテーマに授業が行われました。
当日は復興庁の中見大志(なかみ・たいし)参事官が講師として登壇し、同校の2年生17名が授業を受けました。

【授業を受けた生徒たちの声を紹介します】

  • 風化防止のために震災を忘れず、
    残された問題もみんなで考える必要があると思った。

    谷口紫野さん

  • ALPS処理水について知っていたが、
    厳重に管理されていることを知り考えが深まった。

    酒井爽晴さん

  • 本やインターネットの情報だけでは
    不十分と実感した。
    現地を訪れたい気持ちが高まった。

    白間あかねさん

  • 風評被害の話が印象的だった。
    自身も情報欠如から偏見を持たないよう、理解を深めたい。

    佐藤涼香さん

【東日本大震災からの復興】

 はじめに、震災の発生と東京電力福島第一原子力発電所(以下原発)の事故発生の経緯について触れました。放射線量は震災直後から大幅に低下し人体への影響がないことや、多くの地域で避難指示が解除され、インフラが整備されるなど、復興が進む一方で、原発事故の影響で回復が遅れている産業があることや未だに帰還できない地域があり、避難が続いている人がいるといった課題も紹介されました。

【原子力発電所の廃炉に向けた取り組み】

 次に取り上げたのが、今も続く原発の廃炉に向けた取り組みです。廃炉とは必要のなくなった原子炉や関連設備を解体·処分すること。その工程の一つである「ALPS処理水の処分」について、映像を交えながら説明しました。雨水や地下水が流入することなどで放射性物質に汚染された水が発生し続けています。こうした水は、浄化処理が必要となり、ALPSという設備により、トリチウムを除く放射性物質を規制基準以下まで除去し、敷地内のタンクで一時保管されることになります。このALPS処理水について、タンクを増やし続けるにも限界があり、国際的な監視のもとで海洋へ放出することが予定されていること、ALPS処理水に含まれるトリチウムは、放射線が微弱で、体内に入っても蓄積されないなど、健康への心配はないことなどを解説しました。中見さんは「復興に向けて廃炉は不可欠。そのためにしっかりと安全性を確保してALPS処理水の処分を行っていきます」と話し、重要性を伝えました。学生たちは真剣にメモをとり、興味深く話を聞いていました。

【風評影響について】

 もう一つの課題が風評被害。震災後「売っている福島県産の農林水産物を食べるとがんのリスクが増える」など根拠に基づかない噂が立ち、社会問題になりました。震災から10年以上経った今でも、こうした風評によって、農林水産物の出荷や輸出、観光業について深刻な影響が残っていることが紹介されました。

【風評の影響を払拭し、福島の復興を進めるには】

 説明に対して、復興が実現し支援が必要なくなるのはいつか、除染による廃棄物の最終処分はどうする予定かなど、生徒から多くの真剣な質問が寄せられました。
 その後、班ごとのグループディスカッションが行われ、復興のために自分ができることと国ができることについて、活発に意見を交換し、発表しました。「さまざまな問題を自分ごととして捉え、考え続けるべき」「ネットの情報に惑わされず、正しい知識を持つことが大切」といった発言や「SNSを活用して情報発信すべき」「教育の場でももっと復興のことをとりあげるべき」といった意見がありました。
 最後に、中見さんは「今日知った情報や被災地の現状を身近な人に伝えてください。それが復興支援につながります」と話しました。今回の出前授業は、生徒それぞれが被災地の問題に対して何ができるかを考える機会となりました。

2022年9/21
北海道

立命館慶祥高等学校

北海道江別市

2022年9/22
静岡

県立島田商業高等学校

静岡県島田市

2022年9/28
沖縄

県立首里高等学校

沖縄県那覇市

2022年9/28
愛媛

県立伊予農業高等学校

愛媛県伊予市

2022年10/5
福岡

福岡第一高等学校

福岡県福岡市

2022年10/12
兵庫

県立舞子高等学校

兵庫県神戸市

2022年10/18
宮城

古川黎明高等学校

宮城県大崎市

2022年10/25
広島

山陽女学園高等部

広島県甘日市市

2022年11/26,27
福島

福島視察

福島県浜通り