放射線の健康影響に関する情報アップデート

気になる放射線の健康影響について
10年の研究結果をわかりやすくお伝えします。

福島第一原子力発電所事故による
健康影響って
結局どうだったの?

2011年3月11日に起きた東日本大震災。
原発事故後、放射線の健康影響に関する様々な情報が飛び交い、たくさんの方が不安を感じられたと思います。時が経ち、放射線に関する新しい情報を知るきっかけもなく当時のまま「止まったままの知識」があるのではないでしょうか。

みなさんの不安や疑問として
お聞きするのが、

影響出た人いるの?食品ってもう大丈夫なの?遺伝するの?感染したりするの?

この10年さまざまな調査が行われてきたことで、健康影響について多くのことがわかりました。
今回は、国連機関UNSCEARによる2020年の調査結果をわかりやすく解説します。

UNSCEAR(アンスケア)とは?

「原子放射線の影響に関する国連科学委員会」の略でアンスケアと読みます。
1950年代に大気圏内核実験が頻繁に行われた結果、環境中に放射性物質が大量に放出されました。こうした放射性降下物による環境や健康への影響について懸念が増大する中、1955年の国連総会決議により設立されました。
UNSCEARは、科学的・中立的な立場から、放射線の人・環境等への影響等を調査・評価等を行い、毎年国連総会へ結果の概要を報告するとともに、数年ごとに詳細な報告書を出版しています。

国際機関による10年に
わたる
調査結果を
お伝えします

2021年3月、国連機関であるUNSCEARは、福島の原発事故による放射線被ばくの健康影響に関する報告書を発表しました。この中で、将来的な健康影響は見られそうにないこと、妊婦・胎児への健康影響も見られそうにないことが明らかにされました。

将来的な健康影響は見られそうにない

福島原発事故時の放射線による福島県民の内部被ばく量は、99.9%以上の方が健康に影響がないといえるレベルの1ミリシーベルト未満でした。
UNSCEARは、事故後10年間の被ばくに関する相当数のデータを集め、これまでも健康影響は報告されていないこと、将来的な影響も見られそうにないことを発表しました。
事故時の放射線被ばく量は、健康への影響が出るレベルではなかったことを意味しています。

妊婦・胎児への健康影響は見られそうにない

事故当時に妊娠していた方についても、事故による被ばくが直接の健康影響を与えたとは考えにくいと結論づけています。
チョルノービリ原発事故や広島・長崎の原爆の被ばくの影響は、将来生まれる子どもに遺伝しないことが研究で示されているからです。
つまり、福島の原発事故時の放射線被ばくは、妊婦や胎児に影響する可能性は低いと考えられます。

UNSCEAR 2020年/2021年報告書

UNSCEAR2020報告書紹介資料

資料のPDFはこちら

今回の発表内容も重要なことですが、
この事実を多くの方が正しく知ること」が
とても重要です。
正しい事実を知ることが、復興につながります。

多くのみなさんが
情報や知識をアップデートしていくことが
大切になります。