次々と大物が釣れ、笑顔を見せる参加者たち
今回のイベントは、福島県産水産物の安全性や魅力を多くの人に知ってもらい、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興を応援することを目的として、2023年10月22日(日)に、相馬港と相馬復興市民市場(浜の駅松川浦)で開催されました。
当日は相馬港の遊漁船に加えて近隣の漁港からも遊漁船が集まり、全国から応募のあった200組以上の中から抽選で選ばれた20組40人の親子に参加いただきました。参加者のほか、ナビゲーターとして釣りガールの岡田 万里奈(おかだ まりな)さん、ゲストとして人気YouTuberである「魚屋の森さん」こと森 朝奈(もり あさな)さんらも乗船し、福島県内では震災以降最大規模の釣り大会となりました。
相馬港に集まった参加者
相馬沖を含む福島県沖の海域は黒潮と親潮がぶつかる潮目の海でプランクトンが豊富。1年を通して様々な魚が獲れます。この海域で獲れた海産物は「常磐もの」と呼ばれ、市場でも高値で取引されています。そんな「常磐もの」を代表する魚がヒラメです。
相馬沖はヒラメの好漁場です。さらに50cm以下のサイズはリリース(※)というとても厳しい資源保護のルールを漁業者が設け、遊漁船もそれに協力しています。このような取り組みの成果もあり、一般的なヒラメ釣りでは1日中釣り糸を垂らしてもアタリすら無いことも多々ありますが、相馬沖ではたった数時間で複数回のアタリがあるほどヒラメの食性が活発で全国的にもとても珍しい海域です。
(※)他の地域では通常30cm以下のサイズをリリース
当日は福島県相馬市の相馬港に「明神丸」「アンフィニー」「アンフィニーⅢ」「あらし丸」「長栄丸」の5隻の遊漁船が集まりました。参加した20組40人の親子はほとんどがヒラメ釣り(船釣り)初体験。5隻の船には釣り経験豊富なインストラクターが乗船し、サオやリールの扱い方や、イワシを泳がせて釣る一連の流れを参加者に説明するとともに、常に参加者をサポートする体制で相馬港を出港しました。
相馬港を出港する釣り船
参加した子どもに釣り方を教える釣りガールの岡田万里奈さん
出港から約1時間で漁場に到着し、いよいよ釣り大会スタート。釣り開始早々、すぐにヒラメが釣れ始めます。各船で「釣れた!」という歓声が次々と上がり、どんどん大きなヒラメが釣りあげられます。初めて見る特大サイズのヒラメを釣りあげた子供たちは歓喜の表情を浮かべます。わずか2時間弱の間に、20組すべての親子が50cmより大きいヒラメを釣りあげ、大会全体で約50匹という釣果を達成しました。
次々と大物が釣れ、笑顔を見せる参加者たち
約2時間の釣り大会を終え、遊漁船団はお昼前に相馬港に帰港しました。下船後は、相馬復興市民市場のお祭り「浜の駅松川浦大感謝祭2023」のメインステージで表彰式が行われました。
表彰式冒頭には、平木復興副大臣が登壇して「参加した全家族が釣り上げることができて、福島の海の豊かさを実感していただけたと思う。この経験を友人や家族など周りの人たちに伝え、釣りや食体験を通じて福島のファンを増やし、福島を訪れてもらい、リピーターになってもらうことが復興につながる」と開催の挨拶をしました。
その後、今回の釣り大会の結果発表が実施されました。3位は同サイズで2組、85cmを釣り上げた会田さん親子(埼玉)と水戸さん親子(宮城)。2位は89cmを釣り上げた永田さん親子(神奈川)。そして、1位は91cmの特大ヒラメを釣りあげた中沢さん親子(東京)でした。それぞれの親子には平木復興副大臣から賞品が贈られました。
記念撮影をする入賞者
中沢正和さん・千里さん親子(東京都)ヒラメ91㌢
永田光徳さん・光次郎さん親子(神奈川県)ヒラメ89㌢
水戸廣臣さん・咲希さん親子(宮城県)ヒラメ85㌢
会田和彦さん・諒平さん親子(埼玉県)ヒラメ85㌢
表彰式の後は、そのままメインステージにおいて、福島の海と海産物の魅力や安全性を伝えるトークイベントが開催されました。魚屋の森さん、相馬双葉漁業協同組合 青壮年部 部長の石橋 正裕(いしばし まさひろ)さん、福島県水産海洋研究センター 放射能研究部 主任研究員の榎本 昌宏(えのもと まさひろ)さんが登壇し、福島県の漁業の現状や海産物の魅力、安全性などについてトークが繰り広げられました。
浜の駅松川浦大感謝祭に設けられたプロレスリングで行われたトークショー
左から森さん、石橋さん、榎本さん
初心者がこれほど大きなヒラメを釣れる場所は日本中探してもどこにもない。たくさんの人に福島に来てもらい、盛り上げてほしい。
福島県ではどこよりもしっかりと検査をしているので、安心して福島の美味しい魚を食べてほしい。
『常磐もの』の魚はさばいてみて、どれも外れがない。もっとたくさんの人に食べてもらえるよう、美味しさを発信していきたい。
トークショーの後は、魚の美味しさを楽しむ料理教室が開催されました。
講師に、「丸三旅館」の管野雄三(かんの ゆうぞう)さん、アシスタントに「亀屋旅館」の久田浩之(ひさだ ひろゆき)さんと相馬市観光協会の遠藤美貴子(えんどう みきこ)さんをお招きし、ヒラメの捌き方や調理のこつなどを丁寧に教えてもらいました。
ヒラメの5枚おろしを披露する講師
ヒラメの5枚おろしを熱心に見入る参加者
釣り糸の結び方教室も開催されました。
釣りサポートスタッフ5名が先生となり、「釣り糸の結び方」の紹介と練習を行いました。あらかじめ練習用のつり糸と安全なハサミを用意して、つり糸の結び方2~3種類を実際に参加者にやってもらいました。今回の釣り大会ではインストラクターの指導で魚釣りをしましたが、釣り糸を結ぶところから自分で全部出来たらもっと魚釣りが楽しくなります。
釣り糸の結び方を教える岡田さん
参加した親子みなさんが福島の豊かな海の魅力を体験できた一日となりました。
福島の豊かな海の魅力を体験しよう!
親子ヒラメ釣り大会 in 相馬
産経新聞社、つり人社
2023年10月22日(日)
第一部:親子ヒラメ釣り大会
第二部:料理教室&結び方教室
第一部:相馬港(相馬沖)
第二部:浜の駅松川浦
相馬沖では、例年10月頃まではヒラメ釣りのシーズンが続きます。「大判のヒラメを釣ってみたい」「アタリを多く経験してみたい」という人は、ぜひ福島の海におでかけください。
【福島で釣りをしてみたい方への遊漁船情報】
明神丸(相馬市)
第二豊漁丸・あらし丸(相馬市)
アンフィニ―・アンフィニ―Ⅲ(相馬市)
長栄丸(富岡町)
相馬で水揚げされた新鮮な魚介類をはじめ、地元農産物や加工品、お土産などを販売しています。海鮮食堂「浜の台所 くぁせっと」では、旬の地元海産物を使ったメニューが味わえます。