Hand in Handreport.60

風評の払拭にむけて実際に現地に訪れて見たこと聞いたことを、分かりやすく伝えるレポートです。

インタビュー2023.08.25

サーフィン全国大会も実現! 「波の宝庫・福島」をもっと面白く

アロハな猪狩さん

福島県いわき市の四倉海岸は、サーファーたちが”一度来たら虜になってしまう”という日本屈指のサーフポイントです。東日本大震災の津波被害を受け、そこから数年でかつての賑わいを取り戻したのは、海を愛する人々の注力があったからです。四倉のサーフショップ「GLORY SURF」の代表であり、自身も大会に出場するほどのベテランサーファーでもある猪狩優樹さんもその一人。「福島の海は日本で5本の指に入るくらいいい波の立つところだ」と胸を張ります。猪狩さんは復興に向けどのような“仕掛け”をしたのでしょうか。いわき市出身で、指原莉乃さんがプロデュースしたアイドルグループ「=LOVE(イコールラブ)」のメンバーでもある諸橋沙夏さんがインタビューしました。

震災前はサーファーで賑わっていた四倉の街並み。震災直後は、現在のGLORY SURF周辺の土地も津波で建物が流され、更地になっていました。四倉海岸は誰も歩いておらず、暗くて重い空気に包まれていました。猪狩さん自身も、福島の海や食べ物が本当に大丈夫なのか、この先どうなってしまうのかという不安がありました。

それでも、復興作業に励む人々の姿を見て、いつか故郷の海に戻ることができるはずだと信じ続けました。「地元が盛り上がらないと人が来ない。だから、自分たちのコミュニティーからどんどん盛り上げていこうと思った。小さくてもいいから何かイベントをやりたい、やらなきゃいけないなと」。

そう考えた猪狩さんは、2013年には四倉に福島県内のサーファーおよそ200人が参加するサーフィンコンテストを開催。四倉での波乗りを心待ちにしていた人々が集まりました。近くのお店でご飯を食べたり、買い物をしたり、宿泊したりすることで、街は震災前のような賑わいを取り戻しました。コンテストの成功を機に「また来年もぜひやってほしい」と声がかかるようになり、大会のスケールはどんどん大きくなっていきました。そして現在、全日本級別サーフィン選手権大会というおよそ630人が集う全国大会も開催されるようになりました。

四倉に打ち寄せる波

コンテストの開催に合わせるように、2013年の夏に海水浴場もオープン。猪狩さんはビーチの監視活動や清掃活動に関わりました。サーファーだけでなく、散歩をする人や砂浜で遊ぶ小さな子供たちなどが次第に増えていきました。サーファーのために駐車場やシャワーが整備されたり、道の駅などの周辺施設が再オープンしたりと、人が集まるようになるにつれ、自然と震災前の姿を取り戻したと言います。

サーフボードと練習中の猪狩さん

「四倉は砂浜が広いので、サーフィンだけではなくビーチバレーや音楽フェスなど、なんでもできると思う。そういうのがあったら、もっともっと四倉が盛り上がって楽しめるんじゃないかな」と、ワクワクした表情で語ります。

サーファー育成

猪狩さんは震災以降、キッズサーファーの育成にも力を入れています。震災後しばらくの期間、四倉の海を訪れていたのは多くが経験者で、サーフィンを始める子供たちが少なかったからです。このままではサーファーたちがどんどん高齢化するという危機感を抱いていました。

「大人がやっても面白いものは、子供もそうであるはず。次世代にもサーフィンの楽しさや海の面白さを伝えたいと思った」と振り返ります。初めは砂浜で水遊びをするようにサーフィンを始めた子たちが、今ではどんどんのめり込んでいるといいます。

海に入れない日も子供たちがイメージトレーニングをできるようにと、お店の前に大きなスケートボードの屋外ランページを設置。いつでも無料開放されています。「今の子供達は缶蹴りで遊ぶ世代ではなくなったので、できるだけ外で遊んでもらえればいいなと思って」と話します。

スケボ用のランページ

サーフィンと聞くと、どこか難しいイメージがある方は多いのではないでしょうか。実際、その通りといいます。ソフトボードと呼ばれる柔らかいサーフボードが登場し、初心者でも比較的楽しめるようになりましたが、それでも波に乗れるようになるまで、数ヶ月から数年かかるとも言われています。

猪狩さんは、そんなサーフィンの難しさこそが魅力だと言い切ります。「同じ波は二度と来ない。だから一度転んだら同じ練習は二度と出来ない。また応用の練習をしなくちゃいけなくなる」。波に乗れば乗るほど、四苦八苦しながら自身の成長を感じることができるのです。

親子のサーフィン写真

そしてこう続けました。「サーフィンをやっていると、自然に打ちのめされることが何度もあります。だから、あまりクヨクヨしなくなった。少しのことでは動じないというか。それが、サーフィンをやっていてよかったなと思うことです」。震災の前も後も、変わらず四倉の海、そして自然と向き合い続けてきた猪狩さんの言葉だからこそ、説得力があるように感じられます。

海水浴シーズンは終わっても、まだまだ続いていくサーフィンの季節。猪狩さんは「福島はハッピーアイランドだとよく言われます。福島県内外のサーファーの皆さんには、『波の宝庫』でサーフィンをして、美味しいものを食べて、買い物もして、いっぱい楽しんでもらえたらと思っています」とメッセージを送ります。

四倉の海がたくさんの人で賑わい、”普通”でありつづけるために、猪狩さんの挑戦は、まだまだ続きます。

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本サイトからの応募はできませんので、希望される方はこちらよりご応募ください。
なお、応募締切は 2023年9月1日(金)となります。

ラジオ放送情報

「Hand in Hand」は、平日朝6時から生放送でお届けするラジオ番組「ONE MORNING」内で毎週金曜の朝8時10分ごろに放送。TOKYO FM/JFN36局ネットにてお聴きいただけます。番組を聴き逃した方は、ラジオ番組を無料で聴くことができるアプリ「radiko」のタイムフリーでお楽しみください。
※タイムフリーは、過去1週間以内に放送された番組を後から聴くことのできる機能です。

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