Hand in Handreport.58

風評の払拭にむけて実際に現地に訪れて見たこと聞いたことを、分かりやすく伝えるレポートです。

インタビュー2023.07.28

日・仏・英語で福島愛を発信 大熊町の農場主・エミリーさん

キイチゴを見つけたエミリーさんとユージさん

福島第一原発が立地する福島県大熊町で「農業をしたい!」と移住したフランス人イラストレーターのブケ・エミリーさん(34)。
2011年に日本へやってきたエミリーさんは、東京でのフランス語講師を経て、2021年に会津若松市へ移住。伝統工芸品「赤べこ」のイラストやオリジナルグッズ制作などを通じて福島県の魅力を発信してきました。そして2023年2月には大熊町での新生活をスタートさせました。

といっても、原発事故で全町避難を余儀なくされた地域で農業を始めることへ少なからず抵抗があったといいます。その不安はどうやって解消したのでしょうか。営農の様子と、エミリーさんの目標について、ユージさんがうかがいました。

2022年に町の中心部に出されていた避難指示が解除され、この春には町立の小中学校が再開するなど、復興に向けた歩みを進める大熊町。しかし、原発事故から12年もの間、手つかずのままの家や、除染廃棄物などが積まれた場所もあります。避難生活が長引くことで、町内での農業再開を諦めた人も少なくありませんが…。
「いろいろなゲートや黒い袋を見てちょっと不安があったんです。だけども、そこから何回も何回も大熊町来て、いろいろ放射線量とかを友達と確認して大丈夫だと思いました」。

エミリーさんが借りた農地

エミリーさんが借りた農地は、およそ1.7haと、東京ドームの1/3個分の広さです。その畑に案内してもらうと、驚きの光景が広がっていました。かわいらしい赤い実をつけて収穫期を迎えたキイチゴの脇には、およそ1mの高さまで伸びた雑草が生い茂っていました。
「自然のありのままで育てていきたい。厳しい日本の夏には、草がキイチゴの日陰になってくれるからちょうどいい。農薬も使うつもりはないです」。

目指すのは、必要以上に手を加えない自然と共に生きる農業。エミリーさんの植えた苗の根元を見ると、その周りだけがきれいに手入れされていました。フランスにいたとき、キイチゴが大好きでよく食べていたというエミリーさん。日本にもそのおいしさを伝えたいという思いと、故郷への思いがキイチゴに重なるのです。

エミリーさんが描いた「あまの川農園」のイラスト

キイチゴのほかにも、ハーブやトマト、サツマイモなどの様々な野菜を育てている畑を、エミリーさんは、「あまの川農園」と名付け、一枚のイラストを描きました。この農園をゆくゆくは、訪れた人たちに果物狩りや里山の風景を楽しんでもらえる場にしたいと考えていて、自身のSNSでも積極的に発信しています。多くの人々が大熊町の豊かな自然を感じてくれれば、震災後のマイナスイメージが払拭され、さらにはかつての自分がそうだったように、福島に魅了されるようになると期待しているのです。
「日本語やフランス語、英語で発信しています。やっぱり福島のことが大好きでもっと知らせたいんです」。

エミリーさんには、「あまの川農園」に来てくれた観光客に見てもらいたいことがあります。
「大熊町の全てを見てほしいです。すごくきれいな神社とか、観光スポットもあります。みんな元気で生活しているって伝えたいです」。

エミリーさんが描いた農園の未来予想図のイラスト

「あまの川農園」は、開墾する余地がたくさんあります。大熊町はもともと、太平洋側の温暖な気候を生かして、梨やキウイフルーツなどのフルーツの名産地として知られていました。エミリーさんもキイチゴの栽培方法を地元の人に聞いて試行錯誤していて、夢はまだまだ道半ばという状況です。

そんな農園の未来予想図を描いたイラストには、会津の伝統工芸品「赤べこ」などのかわいらしいキャラクターが、和気あいあいとキャンプや凧揚げをしながら過ごす姿がありました。

キイチゴを収穫したら、フランス伝統の焼き菓子に加工して販売したいというエミリーさん。
「あまり知られていないけど、カニストレリというお菓子にしたいと思っています。キイチゴ使ったものは見たことがないので」。

知り合いのパティシエに試作をお願いして、これまで知り合った福島県内のお店で販売をしていきたいと考えています。

福島の魅力を農産物やイラストを通して、世界へ―。エミリーさんだからこそできる表現で、大熊のありのままの姿を発信していきます。

大熊町での生活の様子や、あまの川農園の様子を発信するインスタグラムはこちら。
https://www.instagram.com/amanogawa_nouen/

PRESENT

おおくまベリージャムの写真
2023年7月28日(金)放送分のプレゼントは、大熊ネクサスファームで販売している「おおくまベリージャム」です。大熊町産いちご100%の無添加・無着色ジャム。大粒の果肉がごろっと入った食べ応えのある一品を、3名の方にプレゼントします。

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本商品は、TOKYO FMで放送中の「Hand in Hand」内で応募プレゼントとして紹介されているものです。
本サイトからの応募はできませんので、希望される方はこちらよりご応募ください。
なお、応募締切は 2023年8月4日(金)となります。

ラジオ放送情報

「Hand in Hand」は、平日朝6時から生放送でお届けするラジオ番組「ONE MORNING」内で毎週金曜の朝8時10分ごろに放送。TOKYO FM/JFN36局ネットにてお聴きいただけます。番組を聴き逃した方は、ラジオ番組を無料で聴くことができるアプリ「radiko」のタイムフリーでお楽しみください。
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