meets!三陸・常磐

イベントレポート

大阪

OBCラジオまつり ふれあい広場2023

2023年11月23日(木・祝)|大阪城公園 太陽の広場(大阪府大阪市)

イベントレポート

大阪で福島を“食べて”“見て”知ってもらいました!

大阪市に“MEETS!三陸・常磐ストリート”が出現!福島県の自治体や事業者など13団体は、大阪城公園内で11月23日に開催された「OBCラジオまつり ふれあい広場2023」(ラジオ大阪主催)に物販や展示ブースを出展し、来場者に福島の魅力を“食べて”、“見て”、”聞いて”体感していただきました。

福島の安全性、楽しく学べる一工夫

ラジオ大阪が開催するこのイベントは、特設ステージからの公開生放送をはじめ、各地の名産や人気商品をお得に購入できる物販ブース、子どもから大人まで楽しめる展示、体験ブースなどが一堂に会し、毎年10万人ほどを集める人気企画です。今回、会場の一角を「MEETS!三陸・常磐ストリート」としてブースを並べ、震災からの復興が進む福島の安全性を伝えるとともに、県産の米や日本酒、水産加工品、銘菓などを販売し、関西の方々に多彩なグルメや観光の魅力をアピールしました。

復興庁ブースでは観光スポットや特産品紹介に加え、放射線に関する基礎知識や農林水産物モニタリング検査の結果、ALPS処理水などについて、パネルやチラシで丁寧に説明しました。

ALPS 処理水は今年8月から3回にわたって海洋放出が行われていますが、毎回厳しい環境基準に沿って実施され、東京電力や環境省によるモニタリング検査でも、現在にいたるまで基準値を超えるデータはありません。
こうした安全性について、「何となく知っている」状態からさらに理解を深めていただこうと、今回、抽選会に参加できるアンケートにクイズをプラス。「会津若松市と空間線量が同じ都市は?」「ALPS処理水を海洋放出する際のトリチウム濃度は、WHOが定める飲料水基準の何倍?」などの答えを探し、来場された方はパネルの説明を熱心に読んでくださいました。

大阪府羽曳野市から小学生の子ども2人を連れて訪れた元木恭子さん(43)は「ラジオで福島のブースが出ると聞き、勉強になればと思って来ました。数値が示されていて分かりやすく、クイズのおかげで子どもたちも楽しく学べる機会になりました」とにっこり。大阪市の竹中啓眞さん(69)は「北海道や秋田へは旅行しましたが、福島にも魅力的な場所がたくさんあるんですね。温泉も多いと聞き、次は福島をゆっくり回ろうと思います」と話していました。

福島の特産品が当たる抽選会を楽しめるとあって人気を呼び、ブースの前には親子連れを中心に長蛇の列ができました。

詳しい情報は〈福島の今:復興支援ポータルサイト/ちゃんと知っておきたいALPS処理水のこと〉で紹介しています。

●解説パネル(画像をクリックするとpdfが開きます)

三陸・常磐グルメにお客さま続々

三陸・常磐産品の物販ブースでは、モチモチとした極太麺が特徴の「なみえ焼きそば」(旭屋)、松川浦産アオサをたっぷり使った「ピリカラ青のり佃煮」(おびすや)、創業以来70年継ぎ足している秘伝のたれに漬け込んだ干しサンマ(カネキ商店)、全国醤油品評会で最高位の農林水産大臣賞を受賞した「ヤマブン うすくちしょうゆ」(相馬本家)、福島県の特産品コンクール食品部門で大賞を受賞した「あんこうの肝和え」(海鮮フーズ)など、五つの事業者が多彩な特産品を持ち寄って魅力をアピール。地元お勧めの食べ方や他の食材との合わせ方などを説明して来場者と会話を弾ませました。

大阪市の五嶋久美子さん(60)は、「風評は気にしていません。本当においしそうなので」と、旭屋ブースで「なみえ焼きそば」と「カレーラーメン」を購入。その後も続々とお客さまが詰めかけ、昼過ぎには全商品が完売しました。担当者は「さすが“粉もん文化”の町ですね。なみえ焼きそばは浪江町の復興とリンクしているので、喜んで買っていただけるのはうれしい。今日購入が出来なかった方には、ぜひ浪江町に来ていただいて味わっていただければ」と話していました。

カネキ商店では、同級生と3人で訪れたECC国際外語専門学校(大阪市)3年の稲葉由菜さん(21)が「めひかり丸干し」を見つけて大喜び。同校ではホテルコースの学生らが2012年から毎年、卒業制作として福島県復興支援チャリティーカフェを開いているそうです。今年担当する稲葉さんも研修で小名浜に行ったといい、「港で天ぷらにして食べためひかりがすごくおいしくて、絶対また食べたいと思っていました」とうれしそうでした。担当者は「苦労はしましたが、震災でも1滴もこぼれなかった創業以来のたれを途絶えさせたくないと続けてきて良かった。これからもいろんな地域の人に相馬の魚のおいしさを知ってもらいたい」と目を細めていました。

海鮮フーズの担当者も、「大阪の人は気さくに声をかけてくださり、みんな優しいですね。他県の方には震災以来応援していただいていますし、こういう機会があればこれからも参加し、感謝の気持ちを込めて販売したいです」と言い、フライドガーリックとゴマ油であえたアオサ調味料「かけるあおさ」の活用例を来場者に説明していた相馬本家の担当者は「西日本の方にも隠れた名産を知ってほしくて出展しました。本当に丁寧につくり、粘り強く頑張ってらっしゃる生産者の方々を知っているので、その方たちの思いを込めて販売したいです」と力を込めていました。

試食に試飲、福島グルメを体感

自治体のブースでは、旬の果物や野菜を使った手作りジャム(北塩原村)、磐梯山の天然水やリンゴ「サン富士」(磐梯町)、「マミーすいとん」や干し芋(楢葉町)、オリジナル品種のカボチャ「いいたて雪っ娘」を使ったプリンやドーナツ(飯舘村)、鯉の甘露煮や「めんげ芋」などのブランド野菜(福島市)といった特産品が並び、各ブースでは炊きたてご飯の試食や日本酒などの試飲と併せ、工夫を凝らして観光PRを行いました。堺市から夫婦で訪れた藤吉昌也さん(64)は郡山市のブースでワインを試飲。「狭い大阪に住んでいるので、広い福島県に憧れがあります。豊かな自然の中にワイナリーもあると聞き、ますます行きたくなりました」と顔をほころばせていました。

このほか、環境省ブースでは除染で発生した除去土壌の処分や活用についてクイズで解説。資源エネルギー庁ブースでは、福島第一原発のジオラマを使って廃炉の現状を説明しました。ジオラマでは敷地の全体像が俯瞰でき、汚染水をためたタンクの多さも一目瞭然。大阪市の大串兼士さん(47)は「長い時間をかけて行う大変な作業だということが改めて伝わってきました。応援の意味も込めて、ブースを回っていろいろ買って帰りたい。初めて見る名産品が多く、見ていて楽しいです」と話していました。

来場者の方々に福島の多彩な魅力をお届けでき、出展者のみなさまにも、笑顔を持ち帰っていただく機会となったイベント参加でした。

MEETSカレンダー