Hand in Handレポート「お米でツナガル、会津と市川」

Hand in Handレポート「お米でツナガル、会津と市川」

全国各地の災害被災地の現状と、復興へ力を尽くす人たちの姿を通じて、防災減災の教訓を伝えていく、さらにその地域の魅力を伝え、復興の応援につなげていく復興応援プログラム「Hand in Hand」。

今回は、福島県会津地方と千葉県市川市との、お米を通じた交流、「お米でツナガル、会津と市川」についてお伝えします。

2018年には、福島県の喜多方市・西会津町・北塩原村と千葉県市川市のあいだで「相互交流に関する協定」が結ばれました。それがきっかけとなって、現在、市川市の小学校の学校給食では、会津産のコシヒカリが使われています。市川市の子どもたちは、日々の給食で、会津のお米をモリモリ食べています。
そのいきさつについて市川市・村越 祐民(むらこし ひろたみ)市長に直接伺いました。

● 村越 祐民市長のお話
  • 去年(2018年)の夏、喜多方市長、西会津町、それから北塩原村の村長が、風評被害の払しょくのために野菜のプロモーションに見えたんですね。震災以降毎年ずっと私のところに来ていただいてトップセールスをされました。ただで帰してはいけない、とその時に率直に思って、「ぜひ、協定をさせていただきたい。」という話をその場でしました。

その後、会津地方を実際に訪れた村越市長は、その盆地の山並み、そば畑の白い花が咲いている様子や、田んぼの美しい田園風景、我々の地域にはない風景を見て、非常に心が洗われる思いがしたそうです。
協定締結の翌日、市川市の給食の米について検討する機会があり、だったら、会津の米に替えましょうと決まったそうです。

● 村越 祐民市長のお話
  • そもそもなるべく良いものを食べてもらいたいと思っていたことと、会津の皆さんとのそういう交流、友情というのが前提としてありまして、そういう交流だったり友情の一端として、それが復興の役に立つということであれば、それはもちろん良いことだと思っています。もちろん、福島の事故のことがいろいろ心配だという声が、一部の保護者の方からあるのは確かです。ただ、(福島ではお米の)全袋全量検査をしており、そういう心配をする必要はないわけですし、そもそも福島の事故と会津地方は無関係だということがあります。

会津のお米を日常の学校給食で食べる事をきっかけにして、村越市長は子どもたちに次のような事を学んでほしいと考えています。

● 村越 祐民市長のお話
  • 「うちの学校給食のお米はおいしい。」と言って歓迎する声をいただいています。私はもうちょっと、お米にどういう意味があるのか、生徒たちに歴史とか形とかを勉強してもらえるともっと良いなと思っているんですね。我々市川市に住む者にとってのお米と会津の人たちのお米って意味合いが違うと思うんですね。
  • 会津では、お米は生活そのものでしょうし。おそらく日本で初めて年金制度を昔の殿様が作ったわけです。高齢者にお米を配ったという歴史が会津にはあるわけですね。昔の人たちにとってお米はお金そのものだったわけで、非常に価値の高いものであったと。そういう会津の人たちはとりわけ、お米というのは、とにかく特別なものなんだということを子供たちに学んでもらう。
  • これは、市川市に住むものにとっても良い機会になるんじゃないかなと思っていますので、そういうことも教育委員会と話をして、いわゆる食育であり、歴史であり、勉強してもらえるとうれしいなと思っています。

市川市の学校給食で食べられているお米について、JA会津よつば喜多方営農経済センター営農振興課課長の和田清政さんにお話を伺いました。

● 和田清政さんのお話
  • 会津地区につきましては日本食味ランキングでもご承知の通り特Aランキングを連続で取り続けております。飯豊連峰から流れる伏流水、冷たいおいしい水と会津の精神の「ならぬことはならぬ」、匠の職人技で米作りを実施してきております。会津米の特徴はですね、やはりファーストタッチというんですか、ひと口目がしっかりと歯ごたえと粘りが入ってくるというのが第一の特徴。続いてですね、ちょっと冷めてしまってもそれらを落とすことなく継続して食べられる。弁当向けでもおいしいというようなのが特徴になります。

この美味しいお米を、ちゃんと評価してもらうため、美味しく食べてもらうために、会津の農家さんたちは、ずっと懸命な努力を続けてきました。
食品中の放射性物質に関する基準について、日本は世界で最も厳しいレベルの基準を設定して検査をしています。基準を超えた場合は売り場に出ないようになっています。

1:本表に示した数値は、この値を超えた場合は食品が市場に流通しないように設定されている基準等の値である。数値は、食品から受ける線量を一定レベル以下に管理するためのものであり、安全と危険の境目となるものではない。また、各国で放射性物質を含む食品の割合の仮定値等の影響を考慮してあるので、単に数値だけを比べることはできない。​​
2:コーデックス、EUと日本は、食品からの追加線量の上限は同じ1mSv(ミリシーベルト)/年である。日本では放射性物質を含む食品の割合の仮定値を高く設定していること等から、基準値の数値が海外と比べて小さくなっている。​
3:国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が1963年に設立した、食品の国際基準(コーデックス基準)を作る政府間組織。その目的は、消費者の健康を保護するとともに、食品の公正な貿易を促進すること。2018年8月現在、188の国と1つの機関(欧州連合)が加盟している。

出典:復興庁「風評の払拭に向けて」

特に福島県では、米について全量全袋検査を実施しており、その数はなんと900万点に上ります。そして、ここ数年で基準値を超えた米はありません。安全性は確保されています。

その結果、自信を持って「安心安全、そして美味しい!」をアピールできるようになりました。

(詳細はこちら:福島県ホームページ「全量全袋検査の流れや測定機器」、「全量全袋検査の検査結果」)

出典:環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(平成29年度版)」

なお、その他の食品中の放射性物質検査結果については、復興庁のホームページ「タブレット先生の福島の今」の「数字で見る福島」でもご覧いただけます。

● 和田清政さんのお話
  • お米の部分に関しては、福島県産米という括りの中での一切取引が停止になるという被害をやっぱり被ってきたと。2012年以降そういった事の払拭を図りながら、全量全袋検査にこだわって、安全という言葉を確保するために実施して参りました。価格帯につきましては震災前の価格と同額水準に戻ってきております。
  • もちろん市川市さんの学校給食の採用というのは我々にとってこの上ない喜びでございます。生産者としてとっても嬉しく感じておりますし、食べていただいている皆さんからも高評価を得ております。喜多方市では今、​その働きかけとして​モニターツアーに、子供たちではないんですけれども市川市民の方に、来ていただいて交流をしているところです。

そんな会津をはじめとした福島のお米は、「ふくしまプライド便」サイトから、各オンラインストアの特設ページでお買い求めいただけます。

今回ご紹介した福島・会津のお米を通じた交流「お米でツナガル、会津と市川」。お米の交流から少しずつ会津と市川市の交流が進んでいます。このような取組が、他の地域でも広がり、風評払拭の一助となることを期待しています。