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Vol.6|2016年11月14日

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農業を通して心の復興を目指す 特定NPO Switch ~宮城イシノマキ・ファーム~


イシノマキ・ファームで農作業に励むみなさん

イシノマキ・ファームで農作業に励むみなさん

「学ぶ」「働く」「共生する」をテーマに、生き方の改革実現を目指す認定特定非営利活動法人Switch(スイッチ)。宮城県仙台市と石巻市に拠点を置き、すべての人々が誇り高く生きていけるよう、就労支援を中心にさまざまなサービスを提供しています。

Switchが設立されたのは2011年3月2日。その9日後に起こった東日本大震災で甚大な被害に見舞われた宮城県。同団体は街の復興とともに歩んできました。2011年6月には障害福祉サービス事業所「スイッチ・センダイ」を立ち上げ、こころの病いを抱えた方々への就労支援を開始。若者の社会進出を目指し、東北の未来を背負っていく人材を育成する「仙台NOTE(ノート)」、「石巻NOTE(ノート)」を通して心の自立を支援し続けています。

これらのノウハウを活かし、誕生したのが「イシノマキ・ファーム&フードアクション」プロジェクトです。このプロジェクトは、石巻周辺に居住する若者の中間的就労の場として、また仮設住宅や復興住宅にこもりがちになってしまう無職の方々のためにスタートしました。

2015年度復興庁「心の復興事業」に採択された 「イシノマキ・ファーム&フードアクション」のコンセプトは、 「農を通して地域、社会、そして自然とつながる」こと。太陽の光を浴び、他者と関わりながら同じ目的に向かって作業を進めることで、次の人生への第一歩にすることがプロジェクトの大きな目的です。

石巻ファームは石巻市内から車で15分ほどの北上川沿いにあります。自然農法と有機農法の手法を取り入れながら多くの農産物を生産。ビニールハウスもなく、除草剤や殺虫剤などの農薬も使わず、地域の若者たちの手で作り上げることで、より安全で安心な野菜づくりを行なっています。

震災後、就労する気力もなく、家の中でテレビを見たり、ゲームをしたりするしかなかった若者たち。ボランティアの呼びかけや仮設住宅に配布されるチラシがきっかけとなり、1人、2人と農園を訪れるようになります。農園には、同じように震災で受けた心の傷を癒やすことができない方、希望を失いかけている高齢者も訪れ、一時は80名以上が参加。鍬や鎌を手に取り、青空の下で共に汗を流していました。

「新しい東北」復興・創生顕彰の創設について


復興庁では、被災地が従前より抱える人口減少等の地域課題を解決する「新しい東北」の実現に向けて、被災地で進む様々な取組を普及・展開することとしています。それに向け大きな貢献をされている個人及び団体を顕彰し、こうした活動を広く情報発信するとともに、被災地内外への普及・展開を図ることを目的とし、「新しい東北」復興・創生顕彰を創設します。
この一年間で「新しい東北」の実現に貢献された個人・団体を自薦・他薦により広く募集し、外部有識者による選定を経て、被顕彰者・団体を決定いたします。なお、顕彰式典は、2月上旬を予定しています。
各部門ともに、自薦及び他薦で応募を受け付けます。他薦の場合は、あらかじめ推薦する候補者・団体の同意を得るものとします。応募は、専用のウェブサイト内の応募フォームをご使用ください。

▶「新しい東北」復興・創生顕彰  
https://newtohoku.secure.force.com/kenshou/

「新しい東北」のロゴ

収穫の喜びを分かち合い、自立を支援 ~イシノマキ・マルシェ~


イシノマキ・マルシェの様子

イシノマキ・ファームで生産した農産物は、「イシノマキ・マルシェ」で販売しています。石巻鋳銭場にある「ユースサポートカレッジ石巻NOTE」のほか、地域の店舗や飲食店でも販売。自然農法と有機農法にこだわった安心・安全な野菜は、たくさんの方に喜ばれています。さらに、石巻市周辺にて、定期的に「イシノマキ食堂」を開催。自分たちで栽培した野菜の試食会に参加することで、自己肯定感を向上。心の復興を促します。

今年からはアロマテラピー効果もあるとされる「ホップ」の栽培にチャレンジ。地域の卸売メーカーやクラフトビールメーカーと連携し、将来的に持続可能なソーシャルファームの構築を目指します。イシノマキ・ファームやイシノマキ・マルシェでの活動を通し、就労の意欲を取り戻した方はバイターン参加1名、長期就労決定3名、復職決定1名。現在面接中の方も1名。スイッチはこれからも職場見学やインターンなどへ就労を促し、自立した生活を支援し続けます。


中間的就労支援とは
将来的に一般就労を目指す方が、その前のステップとして就労訓練や生活のリズムづくりを目的に、農場や水産業、その他の中間的終了の場で活動することです。作業に対する日当が出る場合もあり、金銭的に就職活動を開始、または継続できない方にも就労の後押しをすることができます。


「心の復興事業」とは
東日本大震災に伴う避難生活の長期化や、災害公営住宅等への移転など、被災者を取り巻く生活環境が変化する中で、安定的な日常生活を営むことができるように、円滑な住宅・生活再建の支援、心身のケア、生きがいづくりや、コミュニティづくり促進等、各地域の復興の進展に伴う課題に対応した活動の総合的な支援を目的とした復興庁の「被災者支援総合交付金」を使用した事業です。

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現場での復興の進捗をはじめとした様々な取組みを、タイムリーに情報発信していきます。施策に関する紹介だけでなく、各地で行われる復興関連イベントや地域の魅力発掘の取り組み、自治体・企業・NPOや個人の取り組み、東北の産品の紹介、観光振興に関するものなど、復興に資する情報を積極的にアピールしていきます。
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