いわての未来をつくろうニュースいわての未来をつくろうニュース

岩手の皆さまに、
未来をつくる取組をご紹介します。

Vol.6|2016年11月14日

PDFはこちらPDF

被災地に笑顔とぬくもりを届ける EAST LOOPの「テシゴト」 東北クロッシェ村


遠野市上郷地区にある「旧上郷中学校」。かつて、子どもたちの学び舎だった場所に、EAST LOOP(イーストループ)を運営する「合同会社 東北クロッシェ村」はあります。教卓や黒板など、かつての面影を残す教室に、所狭しと並べられた色とりどりの毛糸。これは、SNSを通じ、毛糸の寄付を募ったことで世界中から集められたもの。「全国はもとより、海外からもたくさんの方が寄付してくださったんですよ」と、語るのは、代表の佐々木盛子さん。

EAST LOOPは、被災地の方々に少しでも元気になってほしい、次につながる一歩を踏み出すきっかけにしてほしいという思いから立ち上がったプロジェクトです。被災地で誰でも参加できる手仕事を創り、被災地の方々が作られた商品を日本、全世界の人たちに届け、その売上げを作った方たちに直接届けることを目的にしています。

東北クロッシェ村のイメージ

手がける商品は大ヒットした「ハートブローチ」をはじめとするアクセサリーや、オーナメントなど毛糸で作るニット製品。「編み手」となるのは岩手県沿岸地域に住む女性たちです。

「震災直後の被災地ではみんなが生きる力を失っていました。そこに編みもの手仕事の集まりが生まれ、講習会が開かれることに。初めての講習会では「なんで、わだす(私)が生き残ったんだ。わだす(私)が子どもの代わりに流されたらよかった」と涙ながらに話す人もいました。しかし、講習会の回を重ねるうち、みんなが編みもの手仕事に夢中になり、やがて冗談や笑いまで起こるようになりました。コーディネータの徳吉敏江さんは、不便な仮設住宅でもみんなで集い、編みもの手仕事をすることが心のよりどころになることを実感したといいます。

東北クロッシェ村のイメージ

家や家族、仕事など大切なものを失った方たちにとって、編みもの手仕事で社会に参加することは「生きる喜び」に繋がりました。また、収入を得ることで働く意欲を取り戻した方も。

EAST LOOPの活動から卒業し、元の仕事に復帰した方なども増え、一番多い時期で200人近くもいた作り手さんは現在50名ほど。ひとり、またひとりとEASTLOOPを卒業していくことは何より嬉しいことですが、一方でEAST LOOPを必要とする方がいる限り、継続していくことが大切です。

そこで、同プロジェクトは2014年7月1日に「合同会社東北クロッシェ村」に事業を移管。編み物を得意とする女性たちがその技術を活かし、東北発の手仕事ブランドを目指すことを決意します。


東北クロッシェ村のイメージ

「支援」から「自立」に向けて


被災地支援からはじまったEAST LOOPの手仕事の活動ですが、プロジェクトを通して「編み手さん」の技術が向上し、スキルと熱意を持った人材という地域資源を得ることができました。それは、被災地の自立へとつながり、コミュニティ・ビジネスの確立へと進化。
ハートブローチをはじめ、クリスマスオーナメントやツリーなどオリジナル商品を販売する同社。最近では毛糸メーカーからのサンプル品製作依頼や、東京・馬喰町の老舗日用問屋「松野屋」との合同企画「笹編みの手提げや巾着袋」の製作も進んでいるといいます。同社の新たな目標は「国内の編みもの需要と編み手さんをつなぎ、東北クロッシェメイドのニット商品の制作販売を行うこと。将来的にはオリジナル商品を作り、東北の元気を世界にまで届けたい」と、力強く語って下さいました。

熊本地震支援の一貫として作られた
スヌードとグローブ

「新しい東北」復興・創生顕彰の創設について


復興庁では、被災地が従前より抱える人口減少等の地域課題を解決する「新しい東北」の実現に向けて、被災地で進む様々な取組を普及・展開することとしています。それに向け大きな貢献をされている個人及び団体を顕彰し、こうした活動を広く情報発信するとともに、被災地内外への普及・展開を図ることを目的とし、「新しい東北」復興・創生顕彰を創設します。
この一年間で「新しい東北」の実現に貢献された個人・団体を自薦・他薦により広く募集し、外部有識者による選定を経て、被顕彰者・団体を決定いたします。なお、顕彰式典は、2月上旬を予定しています。
各部門ともに、自薦及び他薦で応募を受け付けます。他薦の場合は、あらかじめ推薦する候補者・団体の同意を得るものとします。応募は、専用のウェブサイト内の応募フォームをご使用ください。

▶「新しい東北」復興・創生顕彰  
https://newtohoku.secure.force.com/kenshou/

「新しい東北」のロゴ

復興庁公式アカウントを開設しました


現場での復興の進捗をはじめとした様々な取組みを、タイムリーに情報発信していきます。施策に関する紹介だけでなく、各地で行われる復興関連イベントや地域の魅力発掘の取り組み、自治体・企業・NPOや個人の取り組み、東北の産品の紹介、観光振興に関するものなど、復興に資する情報を積極的にアピールしていきます。
様々な経験・経歴をもった復興庁の職員達が、親しみやすく個性的な内容を発信していきます。ぜひご覧ください。

Facebookのロゴ

みんなの未来をつくろうニュース

Vol.5|いわての未来をつくろうニュース|Vol.7